さぁ、跪いて快楽を乞え!
「そ、そんなの分かってる!」

事実、「明日の朝は自分一人で起きるから、橘は朝起こしに来なくて良い」と言ったのは自分だ。橘が、「心配なので、ある程度時間が過ぎたら起こしに行きますよ?」と言ったのに対して「いや、絶対に起きれる!」と言い切ったのも自分。そしていざ朝となってみたら見事に大寝坊したのも自分……。
それで橘を責めようにも橘は悪くないのだ。ご主人様からの言い付けも守ったし、嘘も吐いていない。そんな橘にもっともな事を言われて、言い返す事のできない薫は仕方なく「自分が嘘を吐いた」ということを認めざるを得なかった。

「滑稽ですねぇ……」
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