さぁ、跪いて快楽を乞え!
「死……」

私の言葉を聞いて意識が一瞬、遠退く主人。……そのまま死ねば良いのに。

「何ですか? 不平不満がおありでしたら、何なりと」

「俺に台本を投げ付けるとは一体どういうつもりだ!!」

「言ったでしょう。苛ついたのです。もっとまともに動いて下さい」

台本がぶつけられ、下に転がる主人を椅子に座ったままへその辺りで手を組み、見下す。

床に転がるとは、なかなか無様で素敵な格好をなさっているではありませんか。

「だから橘に練習に付き合ってくれって頼んだんだろ!」

「ほう? しかし、貴方は『そこそこできる』と仰っていましたよね? ですが今の貴方はそこそこどころか全く、全くもってできていません」

その言葉の後にまぁ、最初から期待はしていませんでしたが。と付け足した。
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