さぁ、跪いて快楽を乞え!
「朝ですよ」

「ん゙ー……? あと少し……」

抱き枕に顔を埋め、お約束の言葉を言う薫に一言。

「何を言っているんです? クズが」

「……」

「起きないのであれば強行手段です」

ベッドに片手を付き、薫の布団を剥ぎ、顔を無理矢理こちらに向ける。

「薫……?」

いつもならこのままキスして薫が一気に目覚めるところだが、今日はなんだか様子がおかしい……と長年、と言っても10年ほどの執事としての勘が言う。

「うん゙……?」

「失礼します」

と、薫の額に自分の額を重ねる。

……やっぱり。
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