犯人ゲーム



★ ★ ★


銃声がした。人の倒れる音がした。


陽一が自分のソファで横たわり目を瞑ってからこれで二度目。


どちらの銃声の前にも口論は聞こえなかったから、陽一はそれを自殺だと認めた。


クラスメートの死に慣れてしまった自分に辟易しながらも、陽一は動く事はしようとしない。


思考を放棄していた。


何も考えたくなかった。何も見たくなかった。何も聞きたくなかった。


心が折れかけていたのだ。


自分も自殺したら楽になれるだろうか?


陽一はそんな事をポツリと考え、自分の拳銃の銃口をこめかみに当てた。


冷たい鉄の感触は否が応でも死を連想させる。


引き金を引けば、あっさり人が死ぬ忌まわしい道具。


陽一は引き金に指を伸ばした。


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