【完】君の笑顔
理由は言わないけれど、何かあるはず。
それを教えてくれれば対処法とか、別の考え方を教えてあげる事が出来るのに。
清水先生に言わないんだから、僕なんかに教えてくれるはずが無い。
はぁーと毎日のように岡本さんの事で溜息を吐く先生を、僕は岡本さんが退院するまで見続けた。
それからは、発作で運ばれて来ることもなくなった岡本さん。
僕も研修過程を終了して、岡本さんが将来受けるだろうと思われる手術に参加するようになった。
岡本さんを見かけるのは定期検診の時だけ。
いつも見かける訳ではないし、彼女、岡本さんが僕の存在に気付く筈も無い。
ただ、制服を着て、発作を起こした時とは全く違う楽しそうな顔で歩いているのを見かけては、悪化してないと安心していた。
清水先生も「しっかりと自分で判断して運動を控える事が出来るようになったみたいだ」と嬉しそうに話していた。
……だけど一昨年。
彼女が高校2年生の時、また発作を起こして運ばれてきた。