王国ファンタジア【氷眼の民】―ドラゴン討伐編―

王都に住める者は一部の上流階級の一族。王都周辺の町や村には中流階級の一族。


といった具合に、住み場所も完全に区別されていた。


身分制度が生まれたのは、王国ファンタジの建国と同時。


元々この国には80以上もの民族が住んでおり、民族ごとの差別化を図るためにこの制度が執行されたのだ。


国に有益だと思われる民族には、国王に忠誠を誓うことを約束させ地位を与える。


逆に国に害を与えると思われる民族は、王都から遠ざけるために底辺の位を与える。


それを取り払ったのが、かつて国王の側近として剛腕をふるっていた当時の氷眼の民大長老。


ユリエスなりに気を使ったつもりらしい。


レインは微笑する。


自分の一族が褒められて嬉しいのかとユリエスは思ったがそうではない。


「そうか。世間一般ではそういうことになっているのか」


歴史の改変にあきれ果てたのだ。
< 73 / 209 >

この作品をシェア

pagetop