たった一人の親友へ
「隆也…

あたしどうすればいい?

翔が死んだって自分で認めてから

後悔ばっかりなの…

そんなことしたって翔が戻ってこないなんてこと自分が一番よく分かってる

でもね

あの事故であたしだけが生き残って

みんなはあたしのせいじゃないって言うけど

でもこの罪悪感は一生なくならないと思う

こうやって自分を責めてれば

少しでも翔のいない世界から楽になれるの

自分勝手だよね

いつかの隆也に言われた通り。

こんな口先ばっかで死ぬ勇気なんてこれっぽっちもないのに

でもそれでも

翔じゃなくてあたしが死んでれば…って思っちゃうあたしは親不孝かな?

あたし翔のこと分かってるつもりだったけど

今は何にも分かんないの

翔が今のあたしに何を望むか

全く分からないの。

どうしたらいい?

ねぇ隆也

教えてよ」




隆也は無言で車を発進させた


隆也の目からはうっすら涙が浮かんでいた

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