深想シンドローム


パーン、パーン……



雲ひとつない空に、体育祭の始まりを知らせる音が高々と鳴り響く。

それを見上げ、あたしは小さく溜め息を落とした。



結局、あたしは何も出来なかった。

何ひとつ、ミチルくんの役に立てなかった。


もしかしたら…
なんて思って、ミチルくんがいつも居るあの場所へ行ってみたけれど

もちろん、居るはずもなく。



『俺がどうしようが、おめぇには関係ねーだろうが!!!』


そう言われてしまったあの日から、ミチルくんに会ってない。


これをきっかけに
仲直り出来るかな、と思ってたのに…。

いや、元々ケンカした訳じゃないから仲直りも何もないんだけど。


次に会った時
どんな顔して会えばいいんだろう。

とか

ちゃんと謝らなきゃ。

とか、色々考えすぎてしまって。



だけどどうやら、そんな淡い願いさえ叶いそうもないみたいだ。




すると、ボーっと突っ立ってたあたしの肩を誰かが叩く。



「…あ、」

「なーに浮かない顔してんの!」


それは明日香ちゃんたちだった。


「…何か、ごめんね。」

「何がー?」

「だって、せっかく協力してくれたのに…。」



本当、あたしってダメすぎる。






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