境界上
.


まぁ――でも、この際、噂なんてどうでもいいわ。


彼女達の話を聞く限り、恐らくこの“愉しげな飛躍”は相手にするだけ労力の無駄だ。


(例えアタシが今この扉を押し開けて弁明した所で尾ひれがつくだけの話だろう。)


「え~あの切り返し的に本命は渡辺さんじゃないの?
アレ、明らか“上から”の挑発だったじゃん」


ハイハイ。で、お次は蓮?

今度は一体何を……


「そうそう!
“お前って悪趣味な。今この場でユイのアノ時の嗜好を解説しろっての?”……ってヤツでしょ~!!」


……………。


「キャハハ! 今のちょっと渡辺さんに似てたし!」

「それそれ! もう態度が余裕だったし?
“急に人前でこんな話振るとか、外堀埋めなの? 余裕ねぇヤツ”って!」


……………。


「“そんなんじゃ寝取る所か、もう飽きられんじゃねぇの?”みたいな~!」


……コレは流石に“飛躍の限度”を超えてない?



「……でもさ~。だからってぇ」


ええ、そうね。

でもだからって、ここで弁明に入っても労力の無駄遣いだわ。無駄遣い。


「うん、超ビビったよね」


確かに。貴女達の“飛躍”には多少度肝を抜かれ――

















「今までの冷戦が突然、殴り合いの乱闘騒ぎだもんね」



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