僕は君のもの
相手は意外と早く見つかった。
元カレのバイト先の先輩の友達の友達の職場の後輩。
「ん?もう一回。」
「だから、元カレのバイト先の先輩の…」
「あ…。やっぱもういい。うん。なんかどうでもいいや。」
恵梨香が面倒くさそうに眉をよせる。
「やっぱり働いてる人って違うよね。
ごはんとか絶対おごってくれるしぃ、気がきくっていうか心遣い?大切にされてる~って実感できるんだ。」
「ふ~ん。」
「もぉ!どうでもよさそうな返事しないで!聞いてよ!」
「はいはい。聞こえてるよ。」
彼氏の話をしながらも美紀は携帯で天気予報をチェックしていた。
求めているのは直ちゃんで、そばにいるのは違う人。
なんでこんなことしてるんだろう。
正当化できるような答えを探す。
だけどどれも言い訳にしか思えない。
柴先輩のアドバイスはただのきっかけにしか過ぎなかったんだ。