僕は君のもの
「あっ。美紀明日予定あるからそろそろ帰るね。」
「なら俺駅まで送ってく。まだ終電あるよな?」
動けない恵梨香とヤマを置いて恭ちゃんと駅に向かう。
「なんかいいね。こういうの。美紀ね、学校のお友達と飲み会とか初めてなんだ。」
「そんなことよりさ、」
そんなこと?
美紀にとっては大事なことなのに。
「あの二人、どう思う?」
「どうって…。まぁ、怪しいよね。」
もうすぐ春休み、という頃になって恵梨香とヤマが仲良くなりだした。
ヤマとは今年も同じクラスで、だけどあんまり交流はなかった。
だってヤマは社交的なんだけど女の子とは自分から近寄ったりしないから。
そんなヤマが突然恵梨香にだけ話しかけたりするようになったんだよね。
それがきっかけで春休みの今日、みんなで飲み会をしたんだ。
「でもヤマって彼女いたよね?」
「別れたらしいよ。この間。」
ふ~ん。ヤマの彼女ってキレイなんだけど性格がキツイんだよね。