僕は君のもの




静かな部屋の中に直ちゃんの寝息だけが響く。



寒いくらいにエアコンのかかった部屋。
布団の中から出れそうになくて直ちゃんにくっつく。


寒さは言い訳か。
美紀が直ちゃんから離れたくないだけだよね。



ベッドの下の残骸を横目に見た。



あ~あ。どうしよ。

美紀、一人で浴衣なんて着れないよ。


勢いって怖いなぁ…。




「はぁ…。」



小さなため息をついた時、美紀のケータイがメールを受信した。


突然の大きな音に直ちゃんの体がビクッと反応した。



「ごめん!起こしちゃった…?」



直ちゃんが薄目で美紀を見る。



「ん…?美…紀ちゃん。」




寝ぼけてる?



直ちゃんは寝たままキョロキョロとまわりを見渡した。





< 177 / 245 >

この作品をシェア

pagetop