僕は君のもの
静かな部屋の中に直ちゃんの寝息だけが響く。
寒いくらいにエアコンのかかった部屋。
布団の中から出れそうになくて直ちゃんにくっつく。
寒さは言い訳か。
美紀が直ちゃんから離れたくないだけだよね。
ベッドの下の残骸を横目に見た。
あ~あ。どうしよ。
美紀、一人で浴衣なんて着れないよ。
勢いって怖いなぁ…。
「はぁ…。」
小さなため息をついた時、美紀のケータイがメールを受信した。
突然の大きな音に直ちゃんの体がビクッと反応した。
「ごめん!起こしちゃった…?」
直ちゃんが薄目で美紀を見る。
「ん…?美…紀ちゃん。」
寝ぼけてる?
直ちゃんは寝たままキョロキョロとまわりを見渡した。