僕は君のもの
直ちゃんは台所でお湯を沸かし始めた。
なんで夏なのにお湯沸かしてんの?
夏はコーラに限るって言ってたのは誰!?
「直ちゃん。」
絶対に聞こえてるはずなのに無視された。
「直ちゃん!!やかんなんて放っておいてこっち来て。」
「おぉ…。」
渋々…といった感じで直ちゃんが美紀の前に座った。
別に正座する必要なんてないのに。
「酔いはさめた?」
「…うん。」
「全部覚えてる?」
「…うん。」
「何もかも?」
「うん…。」
美紀がどんな思いであんなことしたと思うの?
どれだけ必死だったか。
どれだけ苦しかったか。
どれだけ焦ってたか。
どれだけの勇気が必要だったか。