僕は君のもの
顔を上げると濃いメイクに派手な髪の色をした女の人が立っていた。
だけどすごく似合ってる。
きっと顔立ちが良くなければこうもしっくりこない。
目が大きいから無駄に長いつけまつ毛も深い色のアイシャドウも違和感ない。
顔が小さいからベリーショートの金髪もオシャレに見える。
「初めまして。あたしあゆみ。何ちゃん?」
「美紀です。」
あ…。思い出した。
あゆみって前に祐ちゃんが言ってた人だ。
直ちゃんに告って最低な理由でフラれた人。
そっか。めでたく“ヤルだけの女の一員”になったってことだよね。
っていうか美紀もだよ。めでたくその一員になっちゃったんだ。
「ほら。早く立って。」
「え?」
あゆみさんに手を引っ張られる。