僕は君のもの
余計なことを考えないように、余計なことばかり考えた。
前の2人には目がいかないようにケータイばかり見つめた。
時折、楽しそうな笑い声が聞こえる。
美紀の知らない名前がたくさん出てくる。
2人がいろいろな所に出かけていることがわかった。
もう、やめて。
もう、やだ…。
「美紀ちゃん?」
直ちゃんの声がする。
「どうした?」
心配そうに美紀の顔を覗きこむ。
そうやって美紀のことだけ見ててよ。
「ケータイ…、ずっと下見てたから酔っちゃった。」
今、美紀はちゃんと笑えてるかな?