僕は君のもの
何もする気が湧かない。
外に出る気にもならない。
ごはんも食べたくない。
気づけば夏休みが終わりそうになっていた。
ほったらかしのケータイを見て、慌てて恵梨香に会った。
家にあった服をようやく返して、クリーニングに出された浴衣を受け取る。
思い切って今の気持ちを恵梨香に打ち明けてみようかと思った。
「別に何もないよ~。」
口が勝手にそう言う。
そういえば、恋バナとかしたことなかったなぁ。
だからか。
何をどう話していいのかわからないや。
高校最後の夏はこうして終わっていった。