僕は君のもの
美紀は一人で生きてきたわけじゃない。
だからこの子だって一人で生きていけるわけじゃない。
子供を育てるってことは美紀がただ“産みたい”ってワガママだけでできるほど甘くない。
「ちゃんと、考えなさい。美紀が。
それまではお父さんには黙ってるから。」
「わかった。」
「でもそんなに時間はかけられないのよ。わかるわよね?」
わかる。堕ろすのであれば早ければ早い方がいいってこと。
生かすか、
殺すか。
なんて残酷な選択なんだろう。
だけどそれが責任。
もう、直ちゃんのこと避けてるわけにもいかなくなってきたなぁ。