僕は君のもの




焦る美紀に比例するかのように時間はあっという間に過ぎていってしまう。



本格的に冬が始まって、美紀のお腹も触ればわかるくらいに膨らんできた。



「クリスマスパーティーしよう!」



思いつきをそのまま言葉にする。



こういうのを現実逃避っていうんだろうな。




あと無駄に幸せそうな恵梨香に意地悪しちゃうんだから。




「恭ちゃん!」



放課後、一人でいた恭ちゃんを追いかける。



「ん?どうした?みっきー。」



「ね、恵梨香の思いっきり何かを嫌がる顔見たくない?」



「はい?」




クリスマスパーティーで恵梨香に無理矢理サンタの衣装を着せて、あのキレイな顔を歪ませてやるんだ!!




あのゴキブリを見るような冷めた目、全世界を拒絶するような表情。

前はよくそんな顔してたのに最近じゃ柔らかい笑顔ばっかりなんだもん。




美紀ばっかりこんなに悩むなんて悔しいの!!





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