僕は君のもの
険しい顔で美紀たちを見つめる。
「夕里…。」
確か恭ちゃんのいとこ…だったよね?
「やっぱり彼女だったんだ。その子。
花火大会の時にも一緒にいた子だよね?」
「違げぇって!コレはたまたま…。」
恭ちゃんが慌てて美紀の肩から手を離す。
「別にいいよ。隠さなくたって。その子なら隠す必要だってないでしょ?
恭一は…。恭一が出した答えは…そっちなんでしょ?」
夕里さんはそのまま歩きだしてしまう。
「待てって。違うって言ってるだろ。話聞けよ。」
それを追いかける恭ちゃん。
…をなぜか追いかける美紀。
なんだろ。コレ。痴話げんか?
でも夕里さんっていとこなんだよね?
やだ、気になっちゃう。
恭ちゃんに腕を掴まれた夕里さんの目からは涙があふれていて、恭ちゃんを見たあとさらに美紀を睨んだ。
うわ。今まで何度も受けたことのある視線。
また変なのに巻き込まれちゃったかなぁ。