僕は君のもの



渡り廊下の影、壁にもたれかかるようにして直ちゃんが立っていた。



ウソ!今の見られてた!?聞かれてた!?



「直…ちゃん。いつからいたの?」



「美紀ちゃん来るの遅かったから迎えに行こうと思って。
そしたら叫び声が聞こえてさ。」



うわ~。全部聞かれてた…。




「今のは美紀ちゃんが正しいと思うよ?」



「でも…、でもね…。」



やばい。泣きそうだ。



「あんなこと言っちゃたらきっとイジメられちゃうよぉ。」



あ~あ。やっぱり我慢できなかった。



「話しかけられないのだってつらいのに、さらにイジメとか美紀ヤダよぉ。」




お弁当箱に顔をうずめる。




取り返しのつかないことしちゃった?





直ちゃん。助けてよ。







< 28 / 245 >

この作品をシェア

pagetop