リアルな彼氏

感情



冷たい空気に
体が冷やされる。

吐く息が白くなる。

皆が凍えるこの季節。

皆が楽しみなこの日。


サンタクロースから
プレゼントをもらう日。


家族連れや恋人達が
街の大半を占めている。

この中で、私は一人
街を歩いている。


けれど、この街の中で私は
今一番幸せだと思う。





ルルル〜プルルルル〜プル


ピッ



「あっ透。どうしたの?今日も、透の家行くねっ。」

『優莉。ごめん。実は今日遅くなりそうなんだ。だから…』


「え?いいよ。私、透の家で待ってるし。」


『いや、本当に何時になるかわからないから。門限に間に合わなかったら大変だしね。』


「別にいいよ。門限なんて。」

『絶対駄目。じゃあ、家に着いたら電話するよ。』


「そっ、か。わかった。じゃあまたね。ばいばい。」



『…あ、うん。』


プッ





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