リアルな彼氏
『そんなことしたら、幸せが逃げるよ。』
そう言っていつもの真面目そうな表情を崩した透の顔。
会話の中でも生真面目で、何にでも現実的にしか答えないアイツ。いや、答えられないのかもしれない。
清潔感があって、男のくせに色気のあるあいつ。
比べて私はどこにでもいる高校生。
それなのに、私なんかと付き合ってるのには、裏があるけれど。
でも、無理に付き合ってもらうような弱味を握っているわけではない。
だから何故なのか。周りから見たら、きっと釣り合わないって言われるはずだ。
いや、もう何度も訪ねられた、けれど。
―――っ
自然に小走りになる足。
周りはクリスマスムード全開で、一人取り残された気分になった。