秘密の★オトナのお勉強②
始めの頃の貞永は、レシピも材料も、何もかも知らない状態だった。
だけど、指導していく度に、どんどん上手くなっていく腕前と、増えていくレパートリー。
俳優という職業も関係しているかもしれないが、理解力と要領がいいのは事実。
一度教えた事なら、頭から消え去ることがない。
それが、貞永の脳みその構造だから。
そんな事を考えていると、あたしの鼻を、香ばしいニオイが駆け抜けていく。
現実の世界に戻ると、出来立てホカホカのオムライスを持った貞永が、あたしの前に立っていた。
「食べて下さいね、中森センセイ」
「ゔ…」
…何を企んでいるのだろうか。
あたしの前に立つ貞永は、腹が立つ程ににこやかな笑顔を浮かべて、あたしにスプーンを差し出していた。
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