秘密の★オトナのお勉強②



「よし!完成っ…!」




あたしは自分の想いを綴った便箋を二つ折りにし、封筒の中に収めた。


達成感で胸がいっぱいになる。




「…きっとアイツ、この手紙見たら顔がニヤニヤするだろうな!」



「絶対それはないと思うわよ?」




自分の世界に浸っていると、後ろから最近お馴染みな声が聞こえてきた。


びっくりして肩が上がる。


その様子を面白そうに見てきた彼女は、あたしの座っている隣のイスに腰を降ろした。




「また手紙書いてたのね?」



「…いいじゃないっ!現状報告をしてたのよ!」



「一回も返事返ってきてないのに?」



「…そ…それは…」




う…っと言葉が詰まるあたしを見て、佐田さん…いや、蘭は愉快そうに声を出して笑った。



…貞永がハリウッドに旅立って二年。

あたしには、ある重大な悩みがありました。




.
< 5 / 412 >

この作品をシェア

pagetop