アリス逃走中
「で?ゲームって何やるんだよ。」
アリスが尋ねると女王はさっき座っていた椅子に戻った。
「ゲームは簡単。白兎から逃げる…ただそれだけ。」
「……白兎?」
アリスは首を傾げた。聞いたことあるようで思い出せなかった。
「白い耳が付いてるうさぎのことだ。不思議の国には兎の耳が付いてるのは白兎しかいない。…ルールは無い、何しようが自由だ。」
「何してもいいのか?」とアリスが尋ねると、女王は椅子から立ち上がりアリスに近づいた。
そして大きな鎌をパッと出して、アリスの首へ振り下ろした。アリスは突然のことに驚いて、目を瞑った。
「…そう、殺してもいい。」
振り下ろした鎌はアリスの首の数ミリ手前で止まっていた。
アリスは息を呑んだ。そして女王を睨んだ。
「…大丈夫、私はお前は殺さない。」
「だったら鎌どけろよ?」
アリスの言葉にはかなりの殺気が込められていた。そんなアリスが面白いのか、女王は少し楽しんでいるようだった。アリスは女王が嫌いらしく、苛々してきた。