きいろいアヒル
気の抜けたような返事の沢原くん。



ほんと、いつもおどけているんだから。



そんなところも、好きだな、って思う。



「ほれ」



そう言って、“鬼”は沢原くんにテストを返した。



彼はそれを、自分の席に戻る前に、開いて見て、叫んだ。



「やったぁ、満点!」



彼は両手を天井高く上げ、私の元に駆け寄ってくる。


……と。



パアン! パアン! パパパーン!



という派手な音がして、辺りがカラフルな色に包まれた。



「おめでとう! 陵!」



「沢原くん、やったね!」


「おめでとう! 千尋ちゃん! 沢原くん!」



「新カップル誕生!」



皆、口々に私たちの名を呼んだ。



……あ、クラッカー。



私と沢原くんの頭には、たくさんのクラッカーから出たリボンが絡まりあっていた。



色とりどりで、綺麗だ。



「なんだぁ、もう皆、俺と千尋ちゃんのこと知ってるの? 周知早いなぁ」



彼はそう言うと、私の肩を抱いた。



ふと見ると、遠くの方の席にいた、花村さんが私に向かってウインクしていた。


花村さんの策略だったのか……。
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