大空の唄



車を降りて、まず挨拶のために編集長の元へ向かった


コンコン


『どうぞ』


失礼しますと言いつつゆっくり扉を開くと


そこには40代半ばくらいの男が


高級そうで座り心地の良さそうなソファーに腰かけていた


「やぁ空君、陽君、翔君
よく来てくれたね」


わはははと大胆に笑う編集長に


愛想笑いを向ける


コイツたぶん苦手分野だ…
そんなことを考えながら


「君んとこの社長には
昔からお世話になっていてね

ずっと君たちの特集をしたいと思っていたんだよ」


編集長は煙草に火を着け
フーッと白い煙を吐く


そりゃどうも


そんな意味を込めて無理に口角を上げた


「おぃ!松田、仕事内容の説明」

「あ、はい。
では本日SONG OF SKYのみなさんには……」


俺らを案内してくれた少し間抜けそうな男が慌てて説明を始めた


ソイツの話によると


まずココのモデルと対談という形で取材


その後、準備してもう一度撮影といった流れらしい


対談かよ。めんどくせー


しかも今回は女性のファッション雑誌


苦手なんだよね
女性ファッション雑誌の仕事。

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