大空の唄


─ダンッ!!


「黙れ」


近くにあった机を思いっきり蹴飛ばし


冷たい目をしてミナを睨み付ける


ミナは一瞬ビクッと体を震わせて一歩後退りをした


「好きでこんな運命(ミチ)
選らんだわけじゃねーよ」


本当はただ純粋に音楽をしたかった。


ありのままを歌う自分を、奏でる俺らをたくさんの人に見て認めてもらいたかった。


でもそれさえ出来ない。


歌手としての空、人としての蒼空…


もはやどちらが本物…というわけでもない


どちらもニセモノなんだ


そぅ、本物のソラなんてこの世に存在しない


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