大空の唄



空の事務所の社長さんは
そのリスクを知ったとき


デビューを取り消そうとしたらしい


理由としては空は和葉さんの隠し子であるということ


もし世間にアノKAZUHAの息子が母と同じ歌手として
デビューしたと知られたら少なからず世間の冷たい視線を浴びてしまうことにあったようだ


そうなれば確かに週刊誌の良い材料になってしまうだけだ


でもそれでも手放したくないほど社長さんは
彼らの持つ素質に魅力を感じていたようだ


そこで必要最低限の個人情報を極秘事項にして
デビューさせたらしい


知ってしまったとき
空はどんな気持ちだったんだろう


そう考えると涙が止めどなく溢れた


『泣かないで絢ちゃん

でもさ、翔。一つ気になることがあるんだよね』


『あ、そうそう

空がピアノを弾けた理由

ずっと聞けてなかったんだけど
母親が有名歌手だったからかな
って思ったんだ

けど空は記憶にあるうちに
母親と会ったことがないらしい』


『そうそう
だから何で弾けるか理由を尋ねても教えてくれないんだよね』


『しかも空がよく弾く曲に
俺たちが知らない曲があるんだ

それは明らかに空が作曲した曲じゃない
空らしくないメロディー…』


『どんな曲?』


『えーっとたしか…

〜〜♪』


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