大空の唄


・・・


目が点になったまま固まるあたし


そんなあたしをにっこりと微笑み見つめる梨華さん


しばしの沈黙が続いた


梨華さんが…蒼空のお姉さん?


そのことばかりが頭に浮かび
整理されぬままグルグルと回っていた


・・・


蒼空のお姉さんが…梨華さん


「えーーーーー!」


やっと出たのは言葉でなく悲鳴にも似た声だった


「あははは!
びっくりしすぎ」


あたしの反応が面白かったのかお腹を抱えて笑う梨華さん


そ、そりゃあびっくりするでしょうよ…
だってだって、蒼空のお姉さんが…


そんなこと翔たち言ってなかったし


あたしは記憶の糸をたどり
必死に翔と陽の言葉を思い出そうとする


ふと、頭のに翔の声が響いた


『空はお姉さんと俺らのところにやってきた
空こと梶原蒼空とお姉さんの梶原梨華さん』


あ…


「やっぱり聞いてたんだよね?」


何かを思い出し再びあっけらかんとしたあたしの
心を読んだように梨華さんはほほ笑む


「本当、鈍感で面白いね」




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