クールな王子様
──…またまた数分前
さっきクール王子が笑ったという衝撃的なできごとで私はフリーズしていた。屋上で。
まぁ、理由はそれだけじゃないけど……
「唯璃。」
「はいぃ?!」
王子の呼び掛けで私は無理矢理意識を戻した。
私今日『はいぃ?!』って多いな。
「ケータイ。」
「え?はい。」
私は意味が分からないまま、ポケットに入っていた自分のケータイを王子に渡した。
って、渡した?!
私、何やってんの!!
「はい。俺のいれた。」
王子はあわあわしている私にケータイを返した。
お、王子の情報手に入れちゃったよ…。
いらないよ。まったく。
「…王子さぁ、私に教えていいんですか…?」
気になって聞いてみた。
そしたら、王子は不思議そうに、首をかしげて…
って、何その可愛い仕草!!!
赤面しちゃうよ!!
ぁあ!もうしてるよ!!
「別に俺が教えたくて、教えた。
から、いい。」
「…はぁ。そうです、か…。」
もしかして、王子って天然はいってんのかなー。
「あと、俺のこと王子って呼ばないで。」
「はぁ?じゃあなんてよべば…」
「宮比。」
「望月って呼びますねー。」
この王子様!!
自分の立場わかってないよ!!!
てか、全然
クールじゃないんですけどぉお?!
むしろ、天然っ!!!