クールな王子様
キーンコーンカーンコーン…──
チャイムっ!!
私は急いで立ち上がると
「じゃあ!私、戻ります!!」
と言って素早く走って教室まで戻ってきた。
「ってゆうわけなの!!」
「へぇー。唯璃、王子に好かれたんだ。よかったじゃん。」
うん。そうなんだ、ってえぇ?!
「ひなちゃん、ひどっ!!! 」
目の前の席に座ってにこにこ笑ってるひなちゃん。
普段あんまり笑わないのに。
ぁあー。楽しそう。すっごい。
可愛すぎるよ。
んで、ひなちゃんを見てる男子の顔が赤いよ。
ひなちゃん、気付いてるー?
ねぇーぇ。
私には悪魔の微笑みにしか見えませーーん。
「てか唯璃、屋上は王子貸し切りって知らなかったの?」
そんなん知りますかーー。
ただでさえ、興味なかったんですから。
「知らないよ。そんなの。」