sweet lovers B【BL】
「なん、で……? 清治は、弓香が……っ」

「弓香は中学の時からの、ただの友達だ」

「でも、好きな子いる、って、可愛いって……!」


「成都は、可愛いよ」


 混乱している成都の背中を撫でながら、耳元に言葉を注ぐ。
 くすぐったかったみたいで、成都の体がびくんと跳ねた。


「――……清治」

「……ん?」


「――エロい」


「……は!?」

「声がエロい!」


 思いもよらない言葉にびっくりしている俺の腕から、成都がするりと抜け出す。

「おい、成都っ」

 もう一度成都を捕まえると、成都の両手が俺の頬を叩くようにして添えられた。

「俺以外のヤツにそんな声で話したら、許さないからな!」

 真正面から見据えられて。
 ほんのりと赤らんだ顔に見とれていると――。

「……っ!?」

 不意に背伸びをした成都の唇が、俺のにそっと触れるだけのキスをする。
 そしてそのまま、成都は逃げるように走っていってしまった。
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