ー雪女郎ー 雪洞と凪
「桃?誰、コレ。」









雪洞が、再び興味なさそうに言った。









カチンッ









「そなた、失礼じゃぞ。私は涼。三春藩藩主。秋田実春の姫じゃ。」










「秋田・・・?ああ。幕府老中。神納実秋の弟か。」









雪洞が言った。









桃とお涼がびっくりして、雪洞の顔を見た。









「ぼ、雪洞姐さん?なんで、知って・・・」









「わっちだって花魁さ。そんくらいは知ってるさ。」
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