風花

ねぇ、天

私ね、今でもあの時のこと覚えてるよ

モノクロームだった私の世界に、天が色を運んできてくれたんだよ…








「猫って、この子?」

捕まえるも何も、自分から私の胸に飛び込んできた子猫。
パ^カーに爪をたてて、必死にしがみついてる。

「よかったぁ~」
「…あなたの猫なワケ?」
「ううん、ノラ猫」

何、コイツ。

「あ、別に虐待とかじゃないよ?ほら、写真撮ってたんだ」
「写真…?」

そう言いながら、首からぶらさげたカメラを見せる。
見た感じ、私とあんまり変わらないみたいだけど…

「嫌がってるじゃない、この子」
「いやぁ、フラッシュに驚いたらしくて…」
「…カメラマン?」
「ううん、大学の写真部に入ってるだけ」

大学生…か。
別に、どうでもいいけど。
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