roulette・4
カツカツと足音が聞こえてくる。
今日もあの人は私の所へ来てくれる。
「美佳、ただいま。」
私はこの人がいないと生きてはいけない。
「広樹~おかえり」
でも最初の出逢いから感じていた。
この人とはどこかであったような前に知っているような。
「美佳、今日は話があるんだ。」
広樹は深刻な顔をして、目を伏せた。
嫌よ…―。
そんな顔をしないで。
広樹
あなたとは何があっても別れるのは嫌。
「美佳、お前には言ってなかったけれど、もうすぐ俺の兄貴の七回忌なんだ。雪山で行方不明になって、結局わからないままなんだが。俺の大切な双子の兄貴だったんだ。」
広樹はそっと目を閉じて優しく美佳の手を握った。
「一緒にお墓に行ってくれないか?」
急に目眩がした。
意識が遠退き黒い記憶が私を襲ってくる。
頭がグルグルまわり、あの過去へとたどり着く。
あの日
雪が降り続く中
私は大好きな彼とスキーに出かけた。
彼はスキーが上手く私は置いてきぼりにされ、そのままその場所に佇んでいた。
彼の姿を探すけど、彼は見当たらない。
裕樹
どこへ行ってしまったの?
いつの間に日が沈み薄暗くなったゲレンデに彼は姿を見せていた。