黒猫はいつも僕を横切る
七節 沙々美―ななふし さざみ
「―――つまらん」
「はい?」
「だから、つまらんと言っているんだよ。私にはこの状況が耐えられない。」
「…はぁ」
他人からみたらこの状況は面白いだろうに
高校の一角の教室で女が猫耳をつけ腕組みをし さらに服装までも全てが全てかわっている
藍色混じりの綺麗な腰まである黒髪
袖口のすぼまった半袖ワイシャツに黒いニットのベスト
さらに指定のスカートは膝丈よりも長い
しかも顔はかなりの美人
そして今、正にこの女がいる教室には【相談室】という不思議な表札までかかっている
この状況を面白いと言わずなにを面白いと言うのか
「…とりあえず、自分のことを鏡でみたら面白いよ。」
と言ってみる
我ながら随分と立派な正論だとおもうのだけど