恋に落ちた、この瞬間。
一応、咳だってしていて具合は悪いはずなんだけど……。


「うわぁーーーん!」


思いっきり、声をあげて泣いている。


寝ぼけていたから俺が誰か分からなくて怖かったわけか。

知らないヤツがベット付近にいるんだもんな。 そりゃ怖いに決まっているよな……。



「まお、ごめんな。 怖い思いをさせたな?」


小さくなって声をあげて震えるまおに そっと、腕を伸ばした。


「ごめんな」


「うぅ……」


「怖がらせたよな、まお」


背中に腕を回して上下に擦る。


…… まおってこんなに小さいんだな。

元から小さいとは思っていたけど、こうやって腕を回してみると。

改めて、痛感する。



「こわかったんだよ?」


「うん」


泣くのが収まりつつあると、ポツリポツリと話始めた。


さっきまで俺を“警戒”していたのに、今は安心して俺の服を握りしめている。


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