超溺愛ブラコン妹の彼氏
既に食べ初めていた世那がキッチンを見ながらつぶやいた。

「だな…チャラくもなったな。益々、心配だ」

「あっそれはお袋さん達にキツく言われてきたらしい。紗輝ちゃんはいとこの花なんだからオカシナ事すんじゃないぞってさ」

「守る補償はねぇんじゃん?」

あぁ渚は親父のお姉さんの子供。

男ばかりの三兄弟の真ん中。

親父はお姉さんに来てもらおうとしてたらしい。

だけど外せない用事があって来られないから子供達に聞いたら渚が飛び付いたんだって。

で親父の方の親戚のいとこは紗輝ちゃん以外、皆ヤローばかり。

それがコゾって紗輝ちゃん大好きヤローなんだ。

彼女いるクセに'本命は紗輝だけど、いとこだから手出せないし'が口癖でさ。
たまに集まると紗輝ちゃんの周りに大集合で写メとりまくり。

とうの紗輝ちゃんは頬を紅くしてさぁ。

そんな子と渚が今日は2人っきりだょ!?

どこかに隠しカメラでも仕掛けるか?

早退するか?

何て悪知恵働かせていたらキッチンから2人出てきて
「じゃあもう出掛けるから後の事頼むね。手があいた時に電話かける」

俺達を見回し'紗輝ちゃんの顔みて行くかな'

と言いリビングを後にした。

「渚、俺らいねぇからって変な事するなょ?」

ソファーに座る渚を睨みながら言った。

「いくら俺でも病人に手は出さねぇよ。紗輝に男は出来たか?」

俺達を交互に見ながら聞いてきた。

「紗輝ちゃんは鈍いからなぁ。自分ではわかってないんじゃねぇか?」

と世那に振り

「だなっ。まぁ紗輝ちゃんの事を好きな奴は一杯だけどな」

と答えた世那。

「ふぅん、紗輝も桃色だもんなぁ。あっ家で制服着た写真見てきたんだけど可愛いな。早く会いてー。俺の事わかるかなぁ」

ソファーの背もたれにもたれニヤニヤしやがって。

紗輝ちゃんがテメェらいとこを忘れる訳ねぇよ。

皆'紗輝〜'って何でも言う事聞いてさぁ。

テメェらがいると俺達のとこきやしねぇもん。

世那が立ち上がり俺の食器も持ちキッチンへ。

「紗輝ちゃんに手、出すなょ?彼氏候補連れて速攻帰ってくっから」

「おぉ連れて来いょ、俺が見定めてやる」
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