双子悪魔のホームステイ



「もうやめて下さい、ディザス君!いつもの無邪気で優しい性格に戻って下さい!!」


「ダメ、結祢ちゃん!名前呼んだら、そっちにこいつの興味が……うっ!?」


注意を呼びかけようとした星駆の体をブンッと振り払い、ディザスは結祢に顔を向ける。

蝋人形のように表情の無い彼の顔に、結祢は背筋にゾクリと寒気が走った。


けれど、負けるものかとキッと睨みつける。


「いや……いいタイミングだぜ、空浪。封印する準備がちょうどできたところだからな。食らいやがれ、ディザス!シールバブル!」


ディザスを見据えたクレイの体から、紫色の光がバシュと放たれる。

光はキラキラと淡く輝きながら、一瞬でディザスの体にぶつかり包み込む。



「……。」


ディザスは無言で立ち尽くしたまま、片目だけ半分ほど閉じる。
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