双子悪魔のホームステイ

苦痛に顔を歪めているというほどではないが、何か違和感を感じているようだった。



(お願いです……どうか、元のディザス君に戻って下さい!)


結祢は顔の前で両手を組み、キュッと目を閉じて祈る。



「効いて……るの?」


半信半疑といった表情の星駆が右膝と右手を地面について、よろりと立ち上がりながら訊く。

魔法を放ったクレイすら不安感を覚えて、たぶんだけどなと曖昧な答えを言おうとした時。


トサッ……とディザスは地面に前向きに倒れ込んだ。



「ディザス君!!」


「ディザス!!」


結祢とクレイは血相を変えて、ディザスに駆け寄った。

星駆は肩の傷を左手で押さえて、じっと彼らの行動を見つめている。
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