双子悪魔のホームステイ









同時刻、天界にある閻魔の居城。



「ロ、ロール……あれほど止めたのに、なぜ行ってしまったんじゃ……。ああ、わしはこれから、どうやって生きればいいのか……ううっ。」


閻魔は、日焼けしたような茶色の太い両腕で顔を覆って、床にうっ伏していた。

金色の髪はクシャクシャに乱れ、青い瞳には大粒の涙が浮かんでいる。


鋭く尖った二本の角に二本の牙、鬼のような形相で恐れられる存在の彼も、今は非力で哀れな一人の男と化していた。


「閻魔様!ロール様が家出したって、本当の話なんですか!?」


不意に、城の入り口ドアがバンッと開いて、一人の死神がツカツカと歩み寄ってきた。

閻魔は顔を上げて、死神をマジマジと見つめる。
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