双子悪魔のホームステイ



「そなたは……?」


「あたしは、ロール様の部下で美麗集団ビューティアスの団長のティディ・アークネットです。」


「そうか……我が妻のロールの部下か。ならば、頼む……このろくでなしのわしの代わりにロールを探してくれ!」


閻魔にガシッと両腕を掴まれて懇願され、ティディというらしい妙齢の死神はやや面くらっているような複雑な表情を見せた。



「は、はあ……。わ、わかりましたから、手を離してくれませんか?あたし、男のごつい腕は苦手なんです。」


「おおっ、聞いてくれるのか……。感謝するぞ、アークネット……。」


(こんな弱そうな男が、ロール様の妻で地獄の番人である閻魔だっていうの?信じられないわね……。)


ティディは、紫色のパーマ髪を掻き揚げながら心の中で思った。
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