双子悪魔のホームステイ
「あら、これは見送りではありませんわよ?あなたが逃げずに現場に行けるかを見定めているだけですの。」
「ふうん……仕方ねえから、そういうことにしておいてやるよ。じゃ、行って来るからな。」
クレイは興味無さそうに言葉を返すと、ロールと閻魔に背を向けてやや早足で歩き出す。
「く、くれぐれも無理をするでないぞ!」
「わたくしの子として恥ずかしくない戦いぶりを発揮するのですよ!」
徐々に遠くなっていくクレイの背中に声をかける二人に後ろ手にヒラヒラと手を振りながら、クレイは振り返らずに事を成すべき場所に急ぐ。
彼が向かった場所とは、天界と下界の境界線が一番薄く往来に適していると言われる天界の中央部。
その場所では、牢を壊して逃げ出したディザスが今にも下界に降り立とうとしているところだった。
そんな彼を、恐怖と困惑の表情を浮かべて数人の天界人が遠巻きに取り囲んでいる。
皆、手に矛や槍や杖などの物騒な武器を携えているが腰は完全に引けていた。