双子悪魔のホームステイ











天界にある広場。

ディザスは雲のイスに座って、寂しげに顔を伏せていた。



「俺……もう、結祢ちゃんに顔向けできないよな……。あんなことして……俺……」


「後悔する以外にできることはあるんやないですかい?」


ディザスは、不意に自分に質問を投げかけた声の方を向く。

声をかけた人物は、水色の羽根付きの小さな黒帽子を被った男性……トライプ・ドクトであった。


トライプは帽子を脱ぎ、それを右手人差し指でくるくる回しながら尚も言葉を続ける。



「ディザスの旦那ぁ……本当にお嬢のことを想うなら、離れるべきやないとあちきは思いやすがねえ。」


「……ドクターには関係ないことじゃんか。俺のことは……放っておいてよ。」
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