双子悪魔のホームステイ
「そうね……敢えて言うならば、“あたし自身のため”かしらねえ。詳しいことは追々話すわ。だから、今は理由を訊かないでオッケーしてちょうだい。」
「ティディ……。」
深々と頭を下げて、両手を合わせて頼み込むティディの姿に、エイビルは心を打たれたようだった。
「気は進まぬが……おぬしにそこまで頼まれては、無碍にもできぬからのう。」
「それって……」
「日時と場所を教えよ。小生にも予定というものがあるからのう。」
「ありがと、エイちゃん!」
ティディは喜びのあまり、ぎゅっと前からエイビルに抱きつく。
「こ、こら、抱きつくでない!小生には男色の気(ケ)は無いわい!それと、“エイちゃん”と呼ぶのはいい加減に止めい!」
エイビルは肩を前後に動かして振り払おうとしたが、ティディは全く離れようとしなかったのだった……。