双子悪魔のホームステイ
決闘前日。
「明日ですね、お二人とティディさんの決闘……。」
月明かり差し込む窓の下で、結祢は不安そうに眉を下げ胸の前で右手を丸めて呟く。
「ごめんね、結祢ちゃん……。俺とクレイのわがままのせいで、不安にさせちゃって……。」
そう謝ったのは、双子悪魔の兄方であるディザス・ロール・ハバート。
金色の髪は窓から吹き抜ける風にサラッと靡き、赤い瞳は申し訳なさそうに結祢から逸らされている。
「あ、謝らないで下さいよ、ディザス君。わ、私が勝手に心配しているだけで、ディザス君のせいではないんですから。」
「そうだぜ、ディザス。結祢の心配症は今に始まったことじゃねえだろ。いちいち反応しすぎるんじゃねえよ。」
ぶっきらぼうな口調で窘めたのは、ディザスの弟であるクレイ・ロール・ハバート。
こちらは銀色の髪で、青い瞳の内の右目は閉じ、呆れたような表情でディザスを見ている。