夜空と夜桜
「なっちゃん……
せっかく道を開けてくれてるんだから通ったら?」
あたしの背中を押して、促す恋歌
「ちょっと!そこのあなた!!
前から思ってたんだけど、夏琉様に近づきすぎじゃない??
夏琉様はみんなのものって決まったのよ!?
分かったなら、早くこっちに来なさい!」
髪の毛が茶色で軽く巻いてある女の子が恋歌にそう言う
「えっと……」
恋歌が戸惑いながらもその女の子のところへ行こうとする
……ここをあたし一人で通らせる気!?
「恋歌…」
あたしは恋歌の腕を掴み、引き寄せる
「…この子、あたしの友達だから、そこに並ばなくてもいいよね?」
あたしは、さっきの女の子に向かってそう言う
「で、ですけど……」
「…あたしが言ってるんだから、聞けるよね……?
この子が特別
分かった??」
軽く脅しを入れて話す
「は…はい……」