CHERRY BLOSSOM


笑ってしまわないように、口を横に結ぶので精一杯だった。


「おっ、お前こそ!卒業して離れるからって、お別れって…!」


冬真のいきなりの反論に、正直ドキッとした。


「だいたい、お前は卒業したら俺と一切会わないつもりだったのかよ!?」


「だって…!」


横に結んだ口を開いても、上手な言葉は言えなくて。

「だって、今までみたいに毎日会えなくなるんだよ!?学校違ったら共通の話題とかも減ってさ、新しい友達だってできるだろうし…!」


あたしの知らない冬真が増えていくのがこわい。


今まで一緒にいすぎた分、いきなり離れるのが、こわい。


なにより、冬真が隣にいるのが当たり前じゃなくなることが、こわかったんだ。


「…なに、お前はたったそれだけで俺のこと嫌いになるの?」


「それだけって…」


雪が、ひどくなってきた。さっきよりも粒が大きくなってる。


「俺は、それぐらいじゃ春花のこと嫌いになんてなれない!」


「冬真…」


「春花の俺に対する気持ちって、そんなもの?」


「そんなことっ…」


そんなこと、あるわけないじゃん。
< 31 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop