いちばんの星 -side episode-


ヴェルヌの存在に気付いたスティークが、座ったままのヴェルヌに声をかけた。



「どうした?こんな時間にここにくるなんて…」

「スティーク」



ヴェルヌの透き通るような低音に、辺りは一瞬しんと静まり返る。



それを待っていたかのように、ヴェルヌはゆっくりと立ち上がった。



そしてスティークの正面に立つと、おもむろに口を開いた。



「お前…女がいるって本当なのか?」

「女…?」



少し首を傾けた状態で自分を見つめる瞳…



「女って、何の事だ?」



目をぱちぱちとまばたきさせながら、スティークが答える。
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